2016年美術館研修を行いました!(関西)
10月19日、20日と2日間に分けて
関西での美術館研修を行いました。
美術館研修とは…?と思われた方もいらっしゃるかと思います。
エール・エルでは年に1回、
みんなで美術館やお寺、建築物などを観に行き
感性を磨く研修を行っています。
スタッフの感性を高めることで、エール・エルのお店づくりにも
役立てていきたいという思いから始まった恒例行事です。
社員数も年々増えていき、今年は関西、関東ともに2グループに分かれ
計4回の実施となりました。
今回は関西の2日間の研修の様子をご紹介いたします。
【1日目】
まず訪れたのは、兵庫県芦屋市にある「ヨドコウ迎賓館」(旧山邑家住宅)。
近代建築の三大巨匠のひとりと言われるフランク・ロイド・ライトが設計し、国の重要文化財にも指定されている建物です。
芦屋の山手、坂を登った先にある邸宅は
自然の中に悠然と佇む姿が美しく
さらに内部のこだわり抜かれた設計と華麗さは
本当に素晴らしいものでした。
バルコニーから見渡せる芦屋の景色も気持ちよく
この景色を含めた建築なのだと感じました。
素敵な応接室でも記念撮影をさせていただきました。
その後、神戸市立博物館で開催中の
『松方コレクション展 ―松方幸次郎 夢の軌跡―』を鑑賞しました。
現在の川崎重工業株式会社、神戸新聞社の初代社長である
松方幸次郎氏のコレクションの一部が公開されている展覧会です。
20世紀初頭の第一次世界大戦下で、
巨万の私財を投じて収集された美術品は
その規模から世界3大コレクションのひとつとも言われています。
モネやゴーギャンの絵画、ロダンの彫刻など約2,000点、
日本から流出していた浮世絵を一括して購入した8,200枚を加えると
その数なんと1万点に及ぶそうです…!
しかし、1927年の金融恐慌のあおりを受け
そのコレクションも散逸を余儀なくされ、
さらに関税の問題でフランスに残されていた作品は
第二次世界大戦後、交渉の末多くは返還されましたが
19点フランスに留め置かれた作品もあるそうです。
松方氏は、日本人に上質の西洋美術に触れてほしいとの想いで
莫大な私財を投入して美術品収集にあたったそう。
その想いを感じながら、約160点もの作品を鑑賞させていただきました。
【2日目】
まず訪れたのは西宮市大谷記念美術館。
こちらで開催中の『マリメッコ展』を鑑賞しました。
世界中で絶大な人気を誇るフィンランドのブランド
「マリメッコ」の60年にわたる歴史をたどる
国内初の大規模な展覧会で、
ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、
ファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点、
デザイナー自筆のスケッチ、各時代の資料などが展示されています。
著名デザイナーのストーリーや下絵なども展示されていて、
マリメッコのデザインの魅力に迫ることができました。
ちなみに、エール・エルのフリーペーパーには
北欧ヴィンテージ食器が登場していて、
会社にはカップ&ソーサ―、プレートの3点セットのコレクションが
600セット以上もあるのです!
中にはもちろんマリメッコのものも。
エール・エルにとってなじみ深い北欧のデザイン。
今回「マリメッコ」について詳しく知ることで、
人を引き付ける魅力をより一層感じることができました。
続いて訪れたのは、
「武庫川女子大学 甲子園会館」。
現在は大学のキャンパスとして使われていますが、
元々は「甲子園ホテル」として誕生した建物で、
国の登録有形文化財にも登録されています。
こちらでは、大学の方に詳しい解説を聞きながら、
見学させていただきました。
設計は、1日目の研修で訪れた「ヨドコウ迎賓館」を設計した
フランク・ロイド・ライトの
愛弟子である遠藤新が手掛けたもの。
戦前は「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と
並び称される超一流ホテルでした。
屋根には瓦が用いられていたり、
打ち出の小槌のモチーフがあらゆる場所にあしらわれていたりと、
日本の伝統美を生かした洋式建築となっています。
元々はカードゲームをするための部屋だったという
「カードルーム」で記念撮影もさせていただきました☆
改装して教室として使われている部屋もありますが、
ホテルだった時代のまま残されているスペースや装飾もあり、
歴史を肌で感じることができました!
【発表会】
2日間とも、本社に戻った後は
「自分が買うならどの作品を選ぶか」を一人一人発表していきました。
「好きな作品」ではなく「買いたい作品」を選ぶのがミソ。
自分のお金を出して買うことを考えると
より真剣に作品と向き合い、考えることができるからです。
新保社長の解説やお話しを交えながら
今回の研修経験をより深めていきました。
来週は関東で研修を行いますので
またこちらのブログで紹介させていただきます☆